日本の伝統的な和菓子、夏を彩る「水無月」と全国で親しまれる「ういろう」。
どちらも美味しい和菓子ですが、その違いをご存知ですか?
この記事では、水無月とういろうの違いを詳しく解説し、和菓子のプロが教える絶品の水無月レシピを3つご紹介します。
夏の暑さを乗り切るための健康祈願の和菓子、水無月を自宅で簡単に作ってみませんか?
プロのコツを取り入れたレシピで、あなたも和菓子作りの達人に!
- 水無月とういろうの違いは?
- 水無月のレシピ|大原千鶴さんの作り方
- 水無月のレシピ|足立敦子さんの作り方
- 水無月のレシピ|辻調グループの作り方
水無月とういろうの違いは?
水無月とういろうはどちらも日本の伝統的な和菓子ですが、それぞれ異なる特徴を持っています。
水無月は主に6月に食べられる夏の和菓子で、ういろうは年間を通して楽しめるお菓子です。
以下に、それぞれの特徴と違いを詳しく説明します。
水無月
水無月は、主に関西地方で親しまれている和菓子で、6月30日の「夏越の祓(なごしのはらえ)」という神事にちなんで食べられます。
白いういろう生地の上に小豆をのせたもので、三角形に切り分けられるのが特徴です。
小豆には邪気を払う力があるとされ、夏の健康を願って食べられます。
水無月の材料は米粉や上新粉、砂糖、水で、独特のモチモチとした食感が楽しめます。
ういろう
ういろうは、全国各地で作られる和菓子ですが、特に名古屋や山口のものが有名です。
米粉や小麦粉を使った生地を蒸し上げて作られ、モチモチした食感としっとりした口当たりが特徴です。
味のバリエーションも豊富で、抹茶や小豆、黒糖など様々な風味が楽しめます。
ういろうは保存性が高く、土産物としても人気があります。
水無月とういろうの違い
水無月とういろうの違いをまとめます。
比較項目 | 水無月 | ういろう |
---|---|---|
材料と食感 | 米粉や上新粉を使用し、上に小豆をのせるのが特徴です。 | 米粉や小麦粉が使われ、独特のモチモチした食感が楽しめます。 |
形と見た目 | 三角形に切られ、白い生地に小豆がのっています。 | 長方形や四角形に切られ、色や風味にバリエーションがあります。 |
時期と用途 | 主に6月に食べられる季節限定の和菓子で、健康を願う行事に関連しています。 | 一年を通して楽しめる和菓子で、土産物としても広く利用されています。 |
これらの違いを知ることで、それぞれの和菓子の魅力をより深く理解し、楽しむことができます。
水無月のレシピ|大原千鶴さんの作り方
大原千鶴さんは『みんなのきょうの料理』にも出演される京都の料理研究家です。
水無月の材料(大原千鶴さんのレシピ)
【材料(13cm×15㎝の流し缶1個分)】
薄力粉 70g
本くずこ 30g
白玉粉 20g
砂糖90g
水 250㏄
かのこ豆(加糖の茹で小豆や甘納豆でも可) 130g
※かの子豆はぬれ甘納豆のことです。
水無月の作り方(大原千鶴さんのレシピ)
- ボウルに粉類と砂糖を入れ、水を加えてよく混ぜます。
- 混ぜた生地を濾し、50mlだけ別に取っておき、残りを流し缶に注ぎます。
- 蒸気の立った蒸し器に流し缶を入れ、強火で約10分蒸します。ふたには布きんをかませてください。
- 生地の表面が固まってういろうのようになったら一度火を止め、表面にかのこ豆をたっぷりとのせます。その後、別に取っておいた50mlの生地をかのこ豆の上に均等にかけます。
- 再び蒸し器に入れ、強火で約6分蒸します。冷ましてから濡れた包丁で三角形に切り分けます。
水無月のレシピ|足立敦子さんの作り方
足立敦子さんは『みんなのきょうの料理』にも出演される料理研究家です。
芦屋女子短期大学で講師もされています。
水無月の材料(足立敦子さんのレシピ)
【材料(耐熱皿1枚分)】
—A—
上新粉(米粉) 80g
薄力粉 80g
和三蜜糖 80g
水 250ml
甘納豆(小豆) 60g
水無月の作り方(足立敦子さんのレシピ)
- 鍋にAを入れてよく混ぜ、水を加えて溶かします。
- 溶かしたAを弱火にかけ、クリーム状になるまで煮ます。
- 耐熱皿に①を入れ、表面に甘納豆を散らします。
- ラップをかけ、500Wのレンジで4~5分加熱します。耐熱皿のサイズによって加熱時間を調整してください。透明感が出たらOKです。
- 加熱後、そのまま冷まし、適当なサイズに切り分けて盛り付けます。
水無月のレシピ|辻調グループの作り方
辻調グループは、日本を代表する料理学校の一つです。料理、製菓、製パンの各分野で高い教育水準を誇る専門学校です。
水無月の材料(辻調グループのレシピ)
【材料(18×18cmの角枠1台分)】
薄力粉 200g
上用粉 20g
浮き粉 10g
上白糖 350g
水 600ml
小豆の蜜漬け 150g
水無月の作り方(辻調グループのレシピ)
- せいろに18×18cmの枠を置き、ぬらしたさらしを敷きます。
- ボウルに薄力粉、上用粉、浮き粉、上白糖を入れ、泡だて器でよく混ぜ合わせます。
- 分量の水を少しずつ加えながら、しっかりと混ぜます。
- ダマがないようにしっかりと混ぜます。
- 生地を少量(約50ml)取り分けておきます。
- 用意した枠に生地を流し込みます。
- 30分間蒸します。
- 蒸し上がったら、カードなどを使って表面の水分を取り除きます。
- 生地の表面に小豆の蜜漬けを並べます。
- 取り分けておいた生地を流し入れます。
- 流した生地を全体にのばし、さらに10分間蒸します。
- 蒸し上がったら、完全に冷めるまでそのまま置いておきます。
- 対角線に沿って好みの大きさに三角形に切り分けて完成です。
- さらしはしっかりと濡らし、枠の角にきっちりと貼り付けるように敷きます。隙間があると、生地が変な形に蒸し上がってしまいます。(作り方1のところ)
- 表面に水分が残っていると、小豆の蜜漬けがつきにくくなります。(作り方8のところ)
- 後から流す生地が、小豆をしっかりとくっつけてくれます。(作り方10のところ)
水無月とういろうの違いと作り方レシピのまとめ
水無月とういろうの違いと水無月の作り方レシピをまとめました。
- 水無月は、関西地方で親しまれています。
- 水無月は6月に食べられる夏の和菓子です。
- 水無月の材料は米粉や上新粉、砂糖、水です。モチモチとした食感が特徴です。
- 水無月は夏の健康を願って食べられます。
- ういろうは年間を通して食べる和菓子で、名古屋や山口のものが有名です。
- ういろうは米粉や小麦粉を使って作られます。抹茶や小豆、黒糖など味のバリエーションが多いです。
- ういろうは生地を蒸し上げて作られ、モチモチした食感としっとりした口当たりを楽しめます。
水無月のレシピの比較
比較項目 | 大原千鶴さんのレシピ | 足立敦子さんのレシピ | 辻調グループのレシピ |
---|---|---|---|
材料 | 薄力粉、白玉粉、本くずこ、砂糖、かのこ豆 | 上新粉、薄力粉、和三蜜糖、甘納豆 | 薄力粉、上用粉、浮き粉、上白糖、小豆の蜜漬け |
調理法 | 蒸し器で蒸す | 鍋で煮る後、電子レンジで加熱 | せいろで蒸す |
特徴的な手順 | 生地を濾してから蒸す。蒸しあがったら一度火を止め、かのこ豆をのせて再度蒸す | 鍋でクリーム状になるまで煮る。レンジで加熱 | 30分蒸し、表面の水分を除去後、再度蒸す |
蒸し時間 | 強火で10分蒸し、再度強火で6分蒸す | 弱火でクリーム状になるまで煮る。電子レンジで4〜5分加熱 | 30分蒸し、さらに10分蒸す |
ポイント | さらしの使用、表面にかのこ豆を均等に散らす | クリーム状に煮る、透明感が出るまで加熱 | さらしをしっかり濡らして敷く、小豆の蜜漬けを後から追加 |
仕上げ | 三角形に切り分ける | 冷まして適当なサイズに切り分ける | 対角線に沿って三角形に切り分ける |
これらの比較をもとに、自分の好みや調理環境に合ったレシピを選んで水無月を作ることができます。
どれも美味しくて簡単に作れますので、ぜひ試してみてください。
季節の和菓子を楽しみながら、和の伝統を感じてくださいね。